”暑さ寒さも彼岸まで”と言いますが、早くも朝晩の涼しさに秋を感じる今日この頃。
秋といえば行楽シーズン!
紅葉なんかも楽しめる季節ですね。
そんな秋のお出かけにぴったりなスポットとして今回は「高野山」をご紹介したいと思います。
弘法大師・空海が開山し、真言密教の聖地とされる高野山
2004年に世界遺産に登録され、2015年には開創1200年を迎えました。
今や、人気の観光地として国内外問わず知られているのではないでしょうか??
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和歌山県の北部に位置し、標高約800メートルの高地であるため「下界」より気温が10℃ほど低くなることも珍しくありません。
取材に訪れた日は8月だったのですが、時折涼しさを感じることができるほどでした。
実家が真言宗で年に一度は必ず高野山にお参りに行く習慣があったため、馴染み深い場所でもあるのですが
昔に比べると海外からの旅行者や若い人が増え、お洒落なお店も出来て季節を問わず賑わっている印象があります。
そんなわけで、もう何度も足を運んでいる高野山なのですが、そういえば一度も体験したことがなかったなぁということが。
それはずばり「写経体験」
早速体験してみようということで会場である大師教会へ
写経室に移動し、簡単な説明を受けます。
塗香(ずこう)を両手に擦り込むと白檀のような香りがほのかに漂います。
席につくと正面にいらっしゃるお大師様。ちょっぴり緊張。
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「写経の手引き」の通り、合掌・礼拝をしたら願文を唱え、その後写経に入ります。
障子から柔らかな陽の光が差し込む空間は音もなく静かで、落ち着いた気持ちになれます。
ー佛説摩訶般若波羅蜜多心経ー
から始まる般若心経は数多い経典の中でも多くの方々に親しまれるポピュラーなもの。
手引きの中に「文字数はわずか262文字ですが、一字一字願いを込めて心静かにお写経なさることをおすすめいたします」
という一文がありました。
しかし、この262文字がとーーーーーっても長いんです(笑)
何度か耳にしているので親しみはありましたが、実際写経をしてみると見た事もない漢字の多いこと多いこと(;゚Д゚)
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ただ、写経用紙にはうっすらと文字が印刷されているので、お手本を元にそれをなぞってゆくと誰でも般若心経を書く事ができるという有難いシステム(*´ω`*)
おかげで、心折れることなく筆を進めることができました。
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実際に写経体験をしてみて思ったことは「とにかく集中できる」ということ
筆で書きなれない字を書く、という普段にはない行為に一生懸命向き合うことで自ずと集中力が高まり気付けば無心になっている…という感じでしょうか。
説明も含め所要時間はだいたい約一時間くらい。
予想通り足は痺れ、とっても右手が疲れましたが体験してみて良かったです( *´艸`)
心を込めて写経することにより、心身ともに健康になり、一切の苦厄が去り、周囲の人々までが幸せを受けると弘法大師は説いています。
気軽に参加することができますので、高野山にお越しの際にはぜひ体験することをおススメします(*ノωノ)
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さて、世界遺産にも登録されているだけあって見どころ満載な高野山ですが
ここからはちょっと有難いスポットをご紹介したいと思います♫
まずは伽藍・御影堂の前にある「三鈷(さんこ)の松」
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ここにくるといつも複数の人が下を向いて何かを探しているんです
なにをしているんだろう?と聞いてみると
「先が三つになっている松の葉を探してるんです」と教えてくれました
どうやらここには珍しい松の葉があるらしく・・・
その言われは
ーー空海が唐から帰国する時に、日本の何処で真言宗を広めたら良いのかという願いを込めて日本に向かって三鈷杵(さんこしょ)と呼ばれる仏具を投げました。
帰国後、空海は三鈷杵を見つけるために旅に出るのですが、その三鈷杵があったのが高野山の壇上伽藍にあるこの松の木だったのですーー
三鈷杵というのはこのように、先が3つになっている仏具です。
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この松の木から落ちてくる葉っぱには三本葉があり(通常は二本葉)このようなことから三鈷の松と呼ばれるようになり
その三本葉を見つけることができたら弘法大師空海のご利益を得られる
三つの福をあり良いことが起こる
などと言われているそうです。
それならばと探してみましたが見つからず…
やはりなかなかお目にかかれない代物なのかなと推測できます。
でも気になったので、その縁起のよい松の葉を見つけた方の画像をお借りしました。
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ずっと下を向いて探し続けるのはちょっと大変ですが、ぜひ探してみてくださいね( *´艸`)
続きましては「六角経蔵(きょうぞう)」
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鳥羽法皇の皇后であった美福門院が、鳥羽法皇の菩提を弔うため、紺紙に金泥(きんでい)で浄写された一切経を納めるために建立された経蔵。
基壇(きだん)付近のところに把手がついており、回すことができるようになっています。
この部分は回転するようにできており、一回りすれば一切経を一通り読誦した功徳を得るといわれています。
チベットのマニ車にちょっと似ていますね。
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何度も通っておりますが、いつも完全にスルーしていた場所です。
動かすことができるだなんて、全く知りませんでした。
まさかそんなご利益があっただなんて…(/ω\)
というわけで、今回は全力で回しておきました。
もの凄い力が要るのかと思いきや、女性2人でもスムーズに回すことができました。
その様子を「なんだなんだ??」と言わんばかりに見ていた人達も集まってきてこの後ちょっとした賑わいを見せていました。
お昼ご飯は「中央食堂さんぼう」へ
高野山らしいお料理をお手頃な価格で頂けます。種類も豊富。
今回は精進あんかけ定食を注文しました。
出汁がしっかりしていて、素朴ながら満足感がありました。
初めて食べた大豆ごはんが美味しかったです。
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あまり観光目的で訪れたことのなかった高野山。
記事を書くにあたって、今までとは違う目線で歩いてみたら新たな発見と出会うことができました。
見知った場所と思っていたのに知らないことも沢山あって、まだまだ奥が深いなぁということを思い知らされました。
ちなみにこちらは開創1200年に合わせ172年ぶりに復活した中門に安置されている四天王像。
どちらも胸にブローチのように昆虫をつけているんです。ちょっと可愛いですよね( *´艸`)
広目天は蝉、増長天はトンボを。
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これにはちゃんと意味があって
蝉は大きな鳴き声を遠くまで届けて存在感を示す
トンボはまっすぐ前にしか飛ばない。前進あるのみ
というところから、広目天の蝉は「威嚇」の姿勢を
増長天のトンボは「悪を通さない。後ろにしりぞかない」という強い姿勢を表しているんだそう
聖なる場所を護ってゆくんだという気迫が感じられますね。
高野山には他にも沢山の見どころがあります。
金剛峯寺、奥之院、大伽藍、根本大塔内の立体曼荼羅…など並べるときりがありません。
季節ごとの行事やイベント、四季の移ろいとともに変わりゆく風景の美しさも見応えがあります。
南海電車に乗って車窓の景色を楽しみながら向かうもよし、ドライブがてら向かうもよし
秋のおでかけ候補として少しでも参考になればと思います(=゚ω゚)ノ
ちなみに駐車場は何ヶ所かありますが、ハイシーズンには満杯になることも予想されますのでご心配な方は公共交通機関を使うことをお勧めします。
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★写経体験についての情報はこちら★
〒648-0294 和歌山県伊都郡高野口町高野山347
高野山大師教会(写経室)
TEL:0736-56-2015
http://www.koyasan.or.jp/experience/
受付時間:午前8時半~午後3時(毎日受付)
料金:実修料100円/御奉納料1000円
※詳細はお問合せ下さい