最強寒波の到来から冬本番!寒い日々が続きます。
今年も雪が積もりそうですね。スタッドレスタイヤの購入を考える今日この頃(。-`ω-)
さて、前回ご紹介した「九度山・真田ミュージアム」に引き続き、今回も真田幸村の足跡を辿りながら九度山エリアをご案内したいと思います。
訪れたのは「真田紐工房」
ここでは真田紐(さなだひも)の織り体験をすることができます。
早速お邪魔してみましょう(=゚ω゚)ノ
九度山真田紐研究会が発足したのは約6年前
真田紐の再生を目的に、九度山町が織り方を教えるボランティアを育成したのが始まりで
最初は公民館での体験から始まったそうです。
昨年のNHK大河ドラマ「真田丸」の放送で観光客が増えたため
実際に紐を織っている所を見れるような場所を探してこの工房で運営することになったのが1年ほど前。
こちらでは真田紐づくりの見学は勿論、織り体験、真田紐の販売などを行っています。
趣のある建物の中に足を踏み入れると、織機や手仕事の道具が沢山。
機(はた)を織るリズミカルな音と朗らかな笑い声が聞こえてきます。
中で作業しているのは有志の皆さん。
体験の前に、まずは
~真田紐ってどんなもの??~
機(はた)などを使って、縦糸と横糸を平たく織った紐
紐ですが、織って作るのでとっても幅の狭い織物とも言えます(=゚ω゚)ノ
平織り(一重)または袋織り(二重)構造のこの紐は、伸びにくく丈夫なことが特徴で
荷物のくくり紐や甲冑の装着、刀の柄巻きや下げ緒などに幅広く使われていました。
※‟組紐(くみひも)”と混同されることもありますが、組紐は細い絹糸や綿糸を編んで織り上げた紐のことで、製法も形状も全く異なります。
ちなみに組紐は身分の高い人が装飾品として用いたと言われます。
戦国時代には武将たちが家ごとの家紋のように、それぞれに決められた柄の真田紐を使い
刀の下げ緒に用いることで戦場での遺品回収の目印にしていたと言われています。
千利休も茶道具の桐箱にかけるくくり紐に真田紐を用いたされていて、それが各家や茶道の流儀にも用いられ
「約束紐(やくそくひも)」という独特の文化の基となったとの説があります。
現在も真田紐は様々な用途に使用され、海外では最近「サムライバーテープ」という呼び名でも親しまれているんだとか(=゚ω゚)ノ
~名前の由来~
真田という名がついていますが、オリジナルで考案したというわけではなく
そのルーツは現在のネパールなどの南アジア地方ではないかと考えられており、
鎌倉時代頃に日本に伝わったのではないかとされています。
真田一族は信州上田にいた頃にこの紐の製法を習得していたと言われていますが、
確証となる古文書は殆ど残っていないそうです。
真田父子は九度山で蟄居生活を送る中でその紐を製作し、村人にも織り方を伝え、そして紐を売る事で収入を得て生活の助けとしながら同時に世の情勢を探っていたと言われています。
商人達が「真田の作った強い紐」という売り文句で行商したことから、真田紐という名前が諸国に広まり定着したとする説が一般的です。
元々は織機ではなく腰機(こしばた)といって、木や棒と腰を使って織る方法をとっていたと言われており
「真田丸」にもそんなシーンが登場します。
今回は織機を使っての手織り体験(=゚ω゚)ノ
まずはお手本を見せて頂きます。
説明をしながらもスイスイと織り進んでいく様子は流石。見ていて気持ちがいいです。
紐の模様は縦糸の配置で決まります。
横糸を通して織るのですが、不思議なことに表面に横糸は出てきません(゚Д゚)ノ
これが真田紐の特徴なんだそうです。
今回はストラップづくりに挑戦('ω')ノ
動作としては難しいものではないのですが、繊細な力加減を要するため
とにかく最初はぎこちない動きになります(汗)
でも、とっても面白いです。以前体験した再織りとはまた違った楽しさがあります♫
約8センチほどを織るのにだいだい10分~15分という感じでしょうか。
今回私たちが体験したのは「織り」の工程のみですが、出来上がりまでは様々な工程があります。
・糸巻き
・整経(たて糸準備)
・機かけ
・織り
・加工
こちらの工房では糸染めもされています。
藍(あい)・棕櫚(しゅろ)・桃・桜・柿・ヨモギなどを使った草木染め
藍は葉を摘んでミキサーにかけて色出し
桜は蕾の時期に枝を切って煮だすんだそうです。
綿は染まりにくく、絹は染まりやすい。個性があって面白いですね。
自然の恵みから生まれる優しい色合いは見ているだけでほっこりします( *´艸`)
九度山の位置する一帯は古くから木綿栽培が盛んな土地で川上木綿の産地でもありました。
紐の材料となる木綿が手に入りやすかったというのも、真田紐がこの地に根付いた一因であったのでしょうね。
今年のGWからは工房裏の畑で綿の栽培を始め、無事に収穫が出来たんだそう!
綿の実って、間近で見たのは初めてかもしれません。
こんなにもかわいらしいんですね(*^^*)
工房では真田紐の手織りストラップなどが販売されています。
鯉のぼりのようなルックスがお魚に見えるところからつけられた「オトト」という名前
色とりどりに並ぶ様子がとても可愛いですね( *´艸`)
現在、真田紐として世に出ている物は殆どが機械織りと思っていいらしく
こういった房を付けることができるのは手織りならではなんだそうですよ。
ちなみに厄除けの真田紐は今年の1月から販売開始した人気の商品。
ご近所の遍照寺さんでご祈祷を受けた五色の糸の色は五仏に由来しているんだそう。
とってもご利益がありそうですよね♫
真田紐の文化を後世に伝えたい
そんな想いで活動している有志の皆さんは現在16名
主婦の方、仕事のある方、それぞれの生活と両立しながら運営されています。
予約制の体験には色んな方が訪れますが、真田丸が放映されてからは観光の方がメイン。
特に去年の10月は体験希望の方が殺到し、大忙しだったそうです。
夏休みには地元の小学生が来たりすることも。
糸の色と配置で、まさに無限の柄の組み合わせができる真田紐
色合わせが楽しい!と仰る有志の方もいました。
時が経っても形を変えずに使われているもの、普遍的なもの
人の手が作り出すもの
そんな文化をしっかり守り、伝えること
皆さんの温かい笑顔と、手仕事の風景に出会えたことで
大切な何かをおすそ分けしてもらえたような、そんな気持ちになりました。
真田幸村の足跡を追って2回にわたりお届けした九度山編。いかがでしたか??
その歴史に想いを馳せると、約400年前に伝えられた真田紐の文化が今もこの地に根付いていることがとても嬉しく、感慨深いものに感じられます(*´ω`*)
興味を持たれた方は、ぜひ一度体験してみてくださいね♬
★今回お邪魔した「真田紐工房」の情報はこちら★
住所:九度山町九度山1390-1
TEL:0736-54-2237(九度山町中央公民館)
体験料:500円/名
駐車場:なし(近隣のパーキングをご利用下さい)
※体験は予約制です。詳しい内容についてはお問合せ下さい。